なぜ相続登記は義務化するのだろうか
2022年7月18日

相続登記の義務化にともなって注目すべき規定とは

法改正によって、2024年度から相続登記が義務化されることになりました。これまでは相続不動産を取得しても、必ずしも登記は義務ではなかったため、未登記のままで放置される相続不動産も少なくありませんでした。その結果、いざ不動産を売却したり担保ローンを組みたくても、買い手や金融機関から拒否されたり、代々の相続人が把握できずに遺産分割協議が停滞する、あるいは国や自治体による用地買収や防災対策が進まない等、社会的に様々なリスクやデメリットが目立ち始めます。相続登記の義務化は、まさにこのような諸問題の解消を目指したものです。

この法改正による大きなポイントは、まず期限と罰則が規定されたことです。すなわち不動産を相続し、その所有権を認識した日から3年以内に相続登記を済ませなければ、10万円以下の過料の対象に。また氏名や住所の変更があった日から2年以内に変更登記を済ませない場合も、5万円以下の過料の対象になります。これらの義務化規定は法改正前の相続不動産も対象になるため、既に未登記の相続不動産を所有していたり、不動産の住所変更等の登記を済ませていない方にとっては、特に見逃してはならないポイントでしょう。

もう1つ注目したいポイントが、相続放棄等で不要になった土地を、国庫に返還できるようになったことです。これまでは一部の財産だけ相続放棄することが不可能だったため、相続地の所有権を放棄できずに、代々にわたって固定資産税を支払い続けるケースも少なくありませんでした。法改正による義務化規定によって、相続地の所有権だけを放棄しつつ、他の遺産は相続することが可能になったことで、今までの不都合も解消することが期待できるでしょう。

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